着替えの介助は介護職の仕事の1つ

衣服は、自分らしさを表現する最も身近な方法の1つです。つまづいて転げないズボン丈などといった危険性への配慮は必要ですが、色やデザインは、利用者本人の希望を尊重し、生活意欲を引き出してあげることが大事です。好きな服を着ると気分が上向きになるのはどの年齢であっても同じであり、それがQOLの向上につながる可能性もあります。そのため、介護職に仕事には、着替えの介助も含まれています。

着替えの際には、カーテンやスクリーンなどを使用し、プライバシーを保護する配慮が必要です。室温を適温にし、寒い時期は衣類や介護職自身の手も温めて、快適に着替えをできるようにすることが大事です。また、着替えは体を動かすため、リハビリテーションの機会にもなります。全介助が必要な場合には、声掛けを行い、本人の残存能力を最大限に生かします。片麻痺のある人の場合は、脱健着患を原則に、なるべく自力でできるよう支援し、過剰な介助は行わないことも大切です。

そして、着替えることで、1日の活動にめりはりをつけたり、気分転換することが可能です。寝たきりだから1日中パジャマでいいということではなく、着替えることで、生活意欲がわいたり、QOLの向上にもつながります。さらに、介護職は着替えをさせながら、皮膚の状態を観察することも必要です。特に全介助が必要な場合は念入りに褥瘡の確認を行いましょう。異常があれば、本人や家族に伝え、必要に応じて医師や看護師にも相談、伝達することも重要です。